2020年8月 オンライン勉強会の報告

JIPSC/日本・イスラエル・パレスチナ学生会議

日本・イスラエル・パレスチナ学生会議は、イスラエル/パレスチナ問題における、現地において困難な相互の対話の機会を創出することを目的に設立された学生団体です。 毎年夏に議論を交えた合宿体系の事業を行っています。 The official website of Japan Israel Palestine Student Conference.

 いつもお世話になっております。8月に行ったオンライン勉強会についての報告記事です。

 本年度は新型コロナウイルスの流行により、日本・イスラエル・パレスチナ合同学生会議が行えなかったため、国内のイスラエル・パレスチナ問題に対する関心喚起を目的として、4回にわたるオンライン勉強会を開催しました。各回ごとの報告を下にまとめます。


<第1回>

 第1回は、イスラエル・パレスチナ問題の概要を掴むための勉強会となりました。

 パレスチナという土地の歴史的経緯や、ヨーロッパなどでのユダヤ人迫害の歴史、シオニズムの起こり、中東戦争の時代のパレスチナ難民についてなどなど。直近の米・トランプ大統領による中東和平案(Deal of the century)などにも触れ、かなり幅広い内容となりましたが、イスラエル・パレスチナ問題に関わる用語や基礎知識を整理していきました。

 後半は、昨年の合同学生会議参加者にZoomで繋がってもらい、実際の学生会議の様子や、昨年参加してみての感想などをシェアしてもらいました。「会議の場では、何かを恐れたり悩んだりすることなくFree thinkersになれた。」という意見などが印象的でした。また、コロナ禍におけるイスラエル・パレスチナの様子についても直接話を聞くことができ、貴重な時間になりました。


<第2回>

 第2回は、「ワークショップ 『平和』とは何か」との題でやらせていただきました。ワークショップという形のイベントは初めてでしたが、参加者の皆さんの積極的な参加のおかげで、紛争問題についてより自分ごととして、考えたり、学んだりすることができたと思います。

 前半は、おやつをどうやって公平に分けるか考える「おやつ紛争」を題材に、どんな状態が「平和」と言えるのかを考え、消極的平和と積極的平和について学びました。後半は、「イスイス人とパレパレ人」というJIPSCオリジナルのロールプレイングワークで、多様な立場の人がいる中で、どのように入植地政策を考えていくかを話し合いました。

 オンラインでのワークショップは、顔も見えない人も多くやりにくそうと不安でしたが、意外とスムーズに進行できてよかったです。せっかくワークを作ったので、これからもいろいろな場で試したいと思っています。


<第3回>

 第3回は、日本政府の視点から考えるイスラエル・パレスチナ外交に焦点を当てて、外務省、JICAという国家の立場からできることは何か?について考える機会になりました。

 前半は、外務省から青島様、JICAから坂元様に活動報告をしていただきました。外務省の面では、中東和平問題として扱われているイスラエル・パレスチナ問題の歴史的背景、近年の中東和平案を概観するとともに、日本のイスラエル・パレスチナ外交に対する基本的な立場を示しながら、今後のシナリオに説明していただきました。JICA(独立行政法人国際機構)の面では、イスラエル・パレスチナの2国家共存を支持する立場からの日本がどのようにパレスチナを支援しているのかについて説明いただきました。

 後半は、新型コロナウィルスとイスラエル・パレスチナとテーマを題してパネルディスカッションをしました。外務省とJICAがコロナウィルスに際しての対応状況、イスラエル・パレスチナの状況などについて意見をいただきました。最後には、講演者お二方に対する質疑応答で参加者からも質問が多く寄せられ、オーガナイザー、参加者双方が学べた貴重な機会となりました。


<第4回>

 第4回は、「市民レベルの交流」に焦点を当てて、私たち一人一人にできることは何か?ということについて考える機会となりました。

 具体的には現地で、イスラエル人、パレスチナ人双方の対話の場をはじめとした草の根レベルでの交流の場創出を実践しているRootsのHanan様、過去30年以上に渡ってパレスチナ難民の人道支援や教育支援に携わているNPO法人パレスチナ子どものキャンペーンから中島様、パレスチナ刺繍を和服の帯にしてパレスチナ文化を日本に発信している山本様にご登壇いただきました。

 Q&Aの時間にも多くの質問がなされ、第3回の外務省、JICAによる活動報告とは違った視点から問題について考える機会になったかと思います。


 全4回を通して、様々な視点から、イスラエル・パレスチナ問題について考えを深めることができたと思います。最後になりましたが、ゲストスピーカーとして登壇していただいた皆様、勉強会にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。今後も情報発信に努めて参りますので、引き続き弊団体の活動に注目していただけると幸いです。


JIPSC/日本・イスラエル・パレスチナ学生会議

日本・イスラエル・パレスチナ学生会議は、イスラエル/パレスチナ問題における、現地において困難な相互の対話の機会を創出することを目的に設立された学生団体です。 毎年夏に議論を交えた合宿体系の事業を行っています。 The official website of Japan Israel Palestine Student Conference.

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